○一宮市景観条例

令和2年12月21日

条例第79号

目次

第1章 総則(第1条―第5条)

第2章 景観の形成

第1節 景観基本計画(第6条)

第2節 景観計画(第7条―第11条)

第3節 景観計画に係る行為の規制等(第12条―第19条)

第4節 景観重要建造物等(第20条―第23条)

第5節 景観重点地区(第24条)

第6節 景観づくりへの取組(第25条―第29条)

第3章 一宮市景観審議会(第30条―第34条)

第4章 雑則(第35条)

付則

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、景観法(平成16年法律第110号。以下「法」という。)の規定に基づき、良好な景観の形成に関し必要な事項を定めることにより、魅力ある景観を保全し、一宮市(以下「市」という。)を歴史や文化が織りなす親しみのあるまちとすることを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 建築物 建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1号に規定する建築物をいう。

(2) 工作物 土地又は建築物に定着し、又は継続して設置される物のうち建築物並びに広告物及び広告物を掲出する物件以外のもので規則で定めるものをいう。

(3) 広告物 屋外広告物法(昭和24年法律第189号)第2条第1項に規定する屋外広告物をいう。

(市の責務)

第3条 市は、良好な景観の形成を図るため、総合的な施策を実施するものとする。

(市民及び事業者の責務)

第4条 市民及び事業者は、自らが景観を形成する主体であることを認識し、良好な景観の形成に積極的に寄与するよう努めるとともに、市が実施する良好な景観の形成に関する施策に協力しなければならない。

2 事業者は、その事業活動の実施に当たっては、良好な景観の形成について必要な配慮をしなければならない。

(財産権等の尊重等)

第5条 この条例の運用に当たっては、関係者の財産権その他の権利を尊重するとともに、公共事業その他の公益との調整に留意しなければならない。

第2章 景観の形成

第1節 景観基本計画

(景観基本計画の策定等)

第6条 一宮市長(以下「市長」という。)は、良好な景観の形成を総合的かつ計画的に進めるための指針とするため、一宮市景観基本計画(以下「景観基本計画」という。)を策定しなければならない。

2 市長は、景観基本計画を策定しようとするときは、あらかじめ、第30条第1項の規定に基づき置かれる一宮市景観審議会(同項を除き、以下「審議会」という。)の意見を聴かなければならない。

3 前項の規定は、景観基本計画の変更について準用する。

第2節 景観計画

(景観計画の策定等)

第7条 市長は、良好な景観の形成を図るため、法第8条第1項に規定する景観計画(以下「景観計画」という。)を策定するものとする。

2 市長は、景観計画を策定しようとするときは、あらかじめ、審議会の意見を聴かなければならない。

3 前項の規定は、景観計画の変更について準用する。

(先導的役割)

第8条 市長その他の市の機関は、道路、公園その他の公共施設の設置及び整備を行う場合には、良好な景観の形成に先導的役割を果たすよう努めるとともに、良好な景観の形成に関する施策を積極的に推進しなければならない。

(国等に対する要請)

第9条 市長は、必要があると認めるときは、国若しくは地方公共団体又はこれらが設立した団体に対し、良好な景観の形成について協力を要請することができる。

(市民意識の高揚等)

第10条 市長は、良好な景観の形成に関して、市民の意識を高め、及び知識の普及を図るため、必要な施策を実施しなければならない。

(団体の育成)

第11条 市長は、それぞれの地域において良好な景観の形成に関する活動を行うことを目的として組織する団体の育成に努めなければならない。

第3節 景観計画に係る行為の規制等

(景観計画への適合)

第12条 景観計画の区域内(第24条において「景観計画区域内」という。)において、法第16条第1項各号又は第2項に掲げる行為をしようとする者は、当該行為を景観計画に定める行為の制限に関する事項に適合させなければならない。

(事前協議)

第13条 法第16条第1項又は第2項の規定による届出を行おうとする者は、あらかじめ当該届出に関する事項について市長に協議しなければならない。

2 前項の規定による協議(以下「事前協議」という。)を申し出る者(以下「事前協議者」という。)は、規則で定めるところにより、事前協議書を市長に提出しなければならない。

3 市長は、前項の事前協議書の提出があったときは、その内容について、景観計画に定める行為の制限に関する事項に関し協議を行うものとする。

4 市長は、事前協議が終了したときは、事前協議者に対し、書面でその旨を通知するものとする。

(助言及び指導)

第14条 市長は、法第16条第1項又は第2項の規定による届出を行った者に対し、景観計画に定める行為の制限に関する事項に適合するよう必要な助言又は指導をすることができる。

(行為完了の届出等)

第15条 法第16条第1項又は第2項の規定による届出を行った者は、当該届出に係る行為を完了し、又は中止したときは、規則で定めるところにより、遅滞なく、その旨を市長に届け出なければならない。

2 法第16条第5項の規定による通知をした国の機関又は地方公共団体は、当該通知に係る行為を完了し、又は中止したときは、規則で定めるところにより、遅滞なく、その旨を市長に通知しなければならない。

(勧告又は命令)

第16条 市長は、法第16条第3項の規定による勧告又は法第17条第1項若しくは第5項の規定による命令をしようとする場合において、必要があると認めるときは、審議会の意見を聴くことができる。

(届出を要しない行為)

第17条 法第16条第7項第11号に規定する条例で定める行為は、次に掲げる行為とする。

(1) 別表第1に掲げる建築物の建築等

(2) 別表第2に掲げる工作物の建設等

(3) 都市計画法(昭和43年法律第100号)第4条第12項に規定する開発行為のうち、開発区域面積が3,000平方メートル未満のもの

(4) 前各号に掲げるもののほか、良好な景観の形成に支障がないと市長が認める行為

(特定届出対象行為)

第18条 法第17条第1項に規定する条例で定める特定届出対象行為は、法第16条第1項第1号及び第2号の届出を要する行為のうち、第24条第1項に規定する景観重点地区(同項を除き、以下「重点地区」という。)におけるものとする。

(命令に従わない場合の措置)

第19条 市長は、法第17条第1項又は第5項の規定による命令を受けた者が、良好な景観の形成のために必要な措置をとらないと認めるときは、当該命令を受けた者に係る次に掲げる事項を公表することができる。

(1) 氏名及び住所(法人その他の団体にあっては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)

(2) 当該勧告に係る行為の内容及び場所

(3) 当該勧告の内容

第4節 景観重要建造物等

(景観重要建造物の指定等)

第20条 市長は、法第19条第1項の規定により景観重要建造物の指定をしようとするときは、同条第2項に定めるもののほか、あらかじめ、審議会の意見を聴かなければならない。

2 市長は、景観重要建造物の指定をしたときは、その旨を告示するものとする。

3 前2項の規定は、景観重要建造物の指定の解除について準用する。

(景観重要建造物の管理方法の基準)

第21条 法第25条第2項に規定する条例で定める景観重要建造物の良好な景観の保全のため必要な管理の方法の基準は、次に掲げるとおりとする。

(1) 修繕は、原則として修繕前の外観を変更しないように行うこと。

(2) 消火器の設置その他の防災上の措置を講ずること。

(3) 敷地、構造及び建築設備の状況を定期的に点検すること。

(4) 前3号に掲げるもののほか、景観重要建造物の保全のため必要な措置を講ずること。

(景観重要樹木の指定等)

第22条 市長は、法第28条第1項の規定により景観重要樹木の指定をしようとするときは、同条第2項に定めるもののほか、あらかじめ、審議会の意見を聴かなければならない。

2 市長は、景観重要樹木の指定をしたときは、その旨を告示するものとする。

3 前2項の規定は、景観重要樹木の指定の解除について準用する。

4 前項において準用する第1項の規定は、法第28条第3項に規定する樹木に該当するに至ったとき又は滅失、枯死その他の事由によりその指定の理由が消滅したときにおける法第35条第1項の規定による景観重要樹木の指定の解除については、適用しない。

(景観重要樹木の管理方法の基準)

第23条 法第33条第2項に規定する条例で定める景観重要樹木の管理の方法の基準は、次に掲げるとおりとする。

(1) 剪定、下草刈りその他の必要な管理を行うこと。

(2) 病害虫の駆除その他の措置を講ずること。

(3) 前2号に掲げるもののほか、景観重要樹木の保全のため必要な措置を講ずること。

第5節 景観重点地区

(景観重点地区の指定等)

第24条 市長は、景観計画区域内において、景観重点地区を指定することができる。

2 重点地区は、優先的かつ計画的に景観形成を推進すべき地区とする。

3 市長は、重点地区を指定しようとするときは、あらかじめ、審議会並びに当該地区の住民及び利害関係人の意見を聴かなければならない。

4 市長は、重点地区を指定したときは、その旨及びその区域を告示しなければならない。

5 前2項の規定は、重点地区の変更について準用する。

第6節 景観づくりへの取組

(景観団体の認定)

第25条 市長は、一定の地域における良好な景観の形成を図ることを目的として組織された団体で、次の各号のすべての要件に該当するものを景観団体として認定することができる。

(1) 当該団体の活動が当該地域における良好な景観の形成に有効と認められるものであること。

(2) 当該団体の活動が当該地域の多数の住民に支持されていると認められるものであること。

(3) 当該団体の活動が関係者の所有権その他の財産権を不当に制限するものでないこと。

(4) 当該団体が規則で定める要件を具備する規約を定めていること。

2 前項の規定による認定を受けようとする団体は、規則で定めるところにより、市長に対し申請しなければならない。

(景観団体の認定の取消し)

第26条 市長は、前条第1項の規定による認定を受けた景観団体が同項各号のいずれかの要件に該当しなくなったと認めるときは、その認定を取り消すことができる。

(景観協定の締結)

第27条 一定の区域内に存する土地、建築物、工作物若しくは広告物若しくは広告物を掲出する物件の所有者又はそれらについて使用することができる権原を有する者は、その区域における良好な景観の形成を図るため、その区域における景観の形成についての協定(以下「景観協定」という。)を締結することができる。

2 景観協定には、おおむね次に掲げる事項を定めるものとする。

(1) 景観協定の名称

(2) 景観協定の目的

(3) 景観協定の対象となる区域

(4) 景観協定を締結する者の住所及び氏名

(5) 目的を達成するための計画

(6) 建築物、工作物、広告物又は竹木に関する基準で、良好な都市景観の形成上有効であると認められるもの

(7) 前各号に掲げるもののほか、景観協定を締結する者が必要と認める事項

(景観協定の認定)

第28条 景観協定は、前条第2項各号に掲げる事項を記載した景観協定書によって締結するものとし、当該景観協定を締結した者の代表者は、規則で定めるところにより、市長に対しその認定を申請することができる。

2 市長は、前項の規定により景観協定の認定の申請があったときは、その内容を審査し、当該協定の内容が良好な景観の形成に寄与するものであると認めるときは、これを認定することができる。

3 市長は、前項の規定による認定をしたときは、その旨を告示するとともに、関係書類を一般の縦覧に供しなければならない。

(景観協定の変更等の届出等)

第29条 前条の規定により認定を受けた景観協定を締結した者の代表者は、その内容を変更し、又は廃止したときは、その旨を市長に届け出なければならない。

2 市長は、前項の規定による廃止の届出を受理したとき又は景観協定の内容若しくはその運用が良好な景観の形成上適当でないと認めたときは、前条第2項の認定を取り消すことができる。

3 市長は、前項の規定により前条第2項の認定を取り消したときは、その旨を告示しなければならない。

第3章 一宮市景観審議会

(審議会の設置)

第30条 この条例及び一宮市屋外広告物条例(令和2年一宮市条例第65号)の規定により定められた事項並びに市長の諮問に応じ、景観及び屋外広告物に関する必要な事項を調査審議するため、一宮市景観審議会を置く。

2 審議会は、必要があると認めるときは、景観に関する事項について、市長に意見を述べることができる。

(審議会の組織)

第31条 審議会は、委員15人以内で組織し、次に掲げる者のうちから市長が委嘱し、又は任命する。

(1) 学識経験者

(2) 市民の代表者

(3) 市議会議員

(4) 関係行政機関の職員

2 委員の任期は、2年とし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

3 委員は、再任されることができる。

(臨時委員)

第32条 前条の規定にかかわらず、特別の事項を調査審議するため必要があるときは、審議会に臨時委員若干名を置くことができる。

2 臨時委員は、市長が委嘱し、又は任命する。

3 臨時委員は、当該審議事項の審議が終了した時に解職されるものとする。

(会長)

第33条 審議会に会長を置き、会長は、委員の互選により定める。

2 会長は、審議会を代表し、会務を総理する。

3 会長に事故あるとき、又は会長が欠けたときは、会長があらかじめ指名する委員がその職務を代理する。

(審議会の会議)

第34条 審議会の会議は、会長が招集し、会長が会議の議長となる。

2 審議会の会議は、委員の半数以上の者が出席しなければ、開くことができない。

3 審議会の議事は、出席した委員の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

4 審議会は、必要があると認めるときは、会議への関係者その他参考人の出席を求め、これらの者の意見を聴くことができる。

第4章 雑則

(規則への委任)

第35条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、令和3年4月1日から施行する。

(一宮市都市景観条例の廃止)

2 一宮市都市景観条例(平成7年一宮市条例第14号)は、廃止する。

(経過措置)

3 一宮市都市景観条例第11条第1項の規定により指定された都市景観形成地区については、同条例第12条及び第15条の規定は、なおその効力を有する。

(一宮市報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正)

4 一宮市報酬及び費用弁償に関する条例(昭和31年一宮市条例第32号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(一宮市環境基本条例の一部改正)

5 一宮市環境基本条例(平成16年一宮市条例第19号)の一部を次のように改める。

〔次のよう〕略

別表第1(第17条関係)

景観計画に定める地域

建築物の規模

歴史街道景観軸

高さ10メートル以下又は建築面積300平方メートル以下

田園景観ゾーン

高さ10メートル以下又は建築面積500平方メートル以下

商業景観ゾーン

高さ13メートル以下又は建築面積1,000平方メートル以下

住宅景観ゾーン

沿道景観ゾーン

工業景観ゾーン

高さ15メートル以下又は建築面積1,000平方メートル以下

景観重点地区

規則で定めるもの

別表第2(第17条関係)

景観計画に定める地域

工作物の規模

歴史街道景観軸

高さ10メートル以下又は建築物と一体となって設置されるものにあっては、その高さが5メートル以下、かつ当該建築物の高さとの合計が10メートル以下

田園景観ゾーン

商業景観ゾーン

高さ13メートル以下又は建築物と一体となって設置されるものにあっては、その高さが10メートル以下、かつ当該建築物の高さとの合計が13メートル以下

住宅景観ゾーン

沿道景観ゾーン

工業景観ゾーン

高さ15メートル以下又は建築物と一体となって設置されるものにあっては、その高さが10メートル以下、かつ当該建築物の高さとの合計が15メートル以下

景観重点地区

規則で定めるもの

市全域

高さ5メートル以下の擁壁その他これに類するもの

長さ10メートル以下の橋りょう、高架道路、高架鉄道その他これらに類するもの

一宮市景観条例

令和2年12月21日 条例第79号

(令和3年4月1日施行)

体系情報
第12類 設/第3章 都市計画
沿革情報
令和2年12月21日 条例第79号